飯田OIDE長姫高校商業科生徒による成果発表会に参加しました 2017年12月22日

 12月22日(金)飯田市鼎文化センターで、飯田OIDE長姫高校商業科の成果発表会が行われ、参加しました。


〇 飯田OIDE長姫高校域人教育成果発表会
 飯田OIDE長姫高校と松本市飯田市が「地域人教育推進に関わるパートナーシップ協定」を結び、商業科1年生から3年生までの280時間の教育課程を組み立てています。
公民館は主に3年生の課題研究を担当し、8人の公民館主事がプロジェクトを組んで、担当教諭とともに生徒たちと地域を結んでいます。
 成果発表会は3年生の課題研究の成果発表を中心に、1年生や2年生の活動成果と、生徒たちによるまちづくり団体Sturdy Eggの活動報告で構成されました。
 発表会当日は、240人の生徒に加えて、牧野飯田市長、佐藤飯田市副市長、代田教育長のほか、生徒たちの地域活動を支えてきた公民館主事や地域の方々、そして竜丘地区からは竜丘小学校6年生の皆さん、県立高校として初めてコミュニティスクールに指定された白馬高校からは国際観光科1年生も参加。600人収容のホールがいっぱいになるほどの賑わいでした。

 ▽ 3年生全員が発表者に
 発表事例は12のうち3年生の課題研究は9つでこのうち7つは公民館主事が地域とつないだ事例、ほか2つは下伊那農業高校と連携した6次産業をテーマとした事例と、飯田下伊那の多彩な事業者の方たちとつないだ商品開発の事例です。それぞれの事例の概要を紹介します。

 (1) 「次世代につなげるために」(協力 橋北公民館、橋北まちづくり委員会、橋北面白倶楽部)
 橋北地区のことを学び、公民館主催のウォーキングイベントで、クイズラリーを考案。地区内4店の和菓子店のお菓子を賞品とし、お店への誘客を計画。

 (2) 「地域課題を地域資源に」(協力 竜丘公民館、天竜川鵞流渓復活プロジェクト)
 地域の景勝地鵞流渓復活のプロジェクトへの参加を核としながら、地区運動会への参加、竜丘小学校6年生との交流などを実施。

 (3) 「八幡商店街の活性化」(協力 松尾公民館、サンロード八幡商店街、ゆめのや)
 松尾地区サンロード八幡商店街の「サンロード八幡祭 音楽の集い」への参加と、空き店舗を活用したサロン「平日のよきお茶イベ」の開催。

 (4) 「Do you know かみむら?」(協力 上村公民館、御前の会、南信濃給食センター
 上村地区の食と伝統を多くの方たちに知ってもらい、地域の子供たちに守ってもらうことをねらいとし、伝統食である「三角寿司」をモチーフとした給食を企画し、上村小、和田小、遠山中学校の献立として提供。

 (5) 「中心市街地に賑わいを取り戻せ!」(協力 橋南公民館、HOTA PASTRY、銀座商店街、橋南連合青壮年会)
 中心市街地の洋菓子店HOTA PASTRYの鈴木正太さんの指導で地元特産のスイーツを使った 商品を開発し、品川で販売。かき氷ゼリーを開発し、地元愛宕神社のお祭りで販売、みこしも担がせていただく。

 (6) 「地元食材を使った商品開発」(協力 キッチンかのん、知久養豚場、いずみの家、ホタジェやすおか)
 地元食材を使った商品「こんにゃくを使ったわらび餅」「かぼちゃを使ったパン」「肉巻きおにぎり」を開発し、11月3日丘のまちフェスティバルで販売。

 (7) 「地域の方々を笑顔に~地域の良さを伝える」(協力 鼎公民館、上茶屋地域の方たち)
 地区の伝統工芸職人から教わった組子細工、地元産の餅やさつまいもを使ったあんころ餅や甘酒、鼎地区の様々な行事を集めた地区紹介の動画を、鼎地区文化祭で披露。

 (8) 「商農Girls、販売する~6次産業体験」(協力 下伊那農業高校)
 下伊那農業高校と連携し、自分たちでトマト、ジャガイモ、サツマイモなどを栽培し、実際にサツマイモを使ったパン、スイートポテト、クッキーに加工して付加価値をつけ、昼神温泉の朝市で販売。

 (9) 「世代間のつながりを増やし、住みよい地域づくりのお手伝いをする」(協力 東野公民館)
 地域課題を調べるためのアンケート活動、地域のシンボルである大宮神社の清掃活動、公民館事業への参加、お年寄りと子供の交流をねらった自主企画「たこ焼きアレンジパーティー」の開催。

 (10) 「Sturdy egg:Experience~水引でつなぐ 結いのまち飯田」(協力 関島水引店、飯田観光協会、週休いつか、ディ不動産)
 水引の需要の拡大と、認知度を高めることをねらいとした活動を展開。自校の卒業生への記念コサージュ260個を製作。鼎公民館「夏休みこども水引研究所」の主催など水引細工の体験企画を開催し、延べ1000人が参加。取り組み事例を全国高等学校商業研究発表大会で報告し、優秀賞(2位)を受賞。

 (11) 「2年生 商業実務での取り組み」(協力 リンゴ並木まちづくりネットワーク)
 地域実習としてりんご並木まちづくりネットワークが運営する毎月の歩行者天国に参加。インターンシップ。探求のための基礎教養講座「地域社会学」「地理デザイン学」「グローバル表現学」などを学ぶ。

 (12) 「1年生 ビジネス基礎での取り組み」(協力 NPO法人イデア
 地域で活躍する方たちを講師とした講座の受講。松本市上土町と、飯田市中心市街地でフィールドワークを行い、まちの課題を考える。

 

 ▽ 高校生自身がロールモデル
 それぞれの活動に協力していただいた団体数だけでも29ですから、実際に関わっていただいた方たちは数百人に上ります。生徒の皆さんは例えば商品開発の取組で、安全管理や売れる商品とするまでの難しさについて厳しい指摘を受けることもあったようです。生徒たちをやさしく受け止めてくれるだけでなく、関わってくれた大人の皆さんの姿勢は、生徒たちを育てようという本気の表れであったととらえています。高校生にとってこれらの大人たちとの関わりは、なりたい大人のロールモデルとの出会いでもあります。
 またここ数年のうちに、商業科の生徒4人が飯田市の試験に合格し、職員となりました。公民館主事たちが生徒たちのロールモデルにもなっているようです。
 今年の発表会で特徴的なのは取組で交流した竜丘小学校の6年生がクラス全員で発表会に参加したことです。休憩時間には高校生と小学生たちがロビーで笑顔で交流する姿も見られました。公民館主事の熊谷君に話を聞いたところ、6年生の保護者から、将来飯田OIDE長姫高校で地域人教育を学びたいという子もいたそうで、生き生きした高校生の姿が、小学生たちのロールモデルとなったようです。
 また発表の中に予定通りに進まなかった失敗について、正直に報告してくれるグループがいくつもありました。大きな成功は小さな失敗を克服しながら積み上げていく「リーンスタートアップ」という考え方がありますが、これも得難い経験です。
 プレゼンテーションの資料作りから、発表の内容、一人ひとりのせりふ回しまで、生徒自身が考えて作り上げたそうですが、3年生は82人全員が壇上で発表に関わっていましたが、どの生徒も堂々とした態度でした。大勢の人前で発表すること、そしてそのための準備に向けて活動を振り返ることも、生徒の育ちの大事な要素です。

 ▽ 教師と公民館主事の連携し、地域が支える地域人教育
 3年生の課題研究は毎週金曜日の4時間目から6時間目の3時間ですが、「主事会地域人教育PJ」8人のメンバーは、毎週この授業に参加し、グループごとの担当教師とチームを組んで生徒たちの学びを支えています。
 主事たちの役割は、地域の様々な人やグループと生徒たちをつなぎ、教師とは別の側面から生徒たちの育ちを見守ることです。
 発表会に参加された地域の方たちと話をしましたが、自分たちの地域で活動した生徒たちをまるでわが子の発表会のように見守っている姿から、皆で高校生たちを育てていこうという心遣いを強く感じることができました。

 

〇 地域連携教育とまちづくりを考える研究会
 飯田OIDE長姫高校商業科の成果発表会が行われた午後は、この取り組みにかかわる様々な関係者と、高校生による「地域連携教育とまちづくりを考える研究会」が開催されました。
 60人ほどの参加者のうち半数は、飯田OIDE長姫高校商業科と、白馬高校国際観光科の生徒の皆さんです。

 

 ▽ パネルディスカッション前半「高校生に必要な学びとは」
 研究会前半はパネルディスカッション。パネラーは東京大学牧野篤教授、リンゴ並木まちづくりネットワーク桑原利彦コーディネーター、飯田OIDE長姫高校Sturdy egg宮澤芽生さん、飯田市公民館小島一人主事、コーディネーターは松本大学白戸洋教授です。
 パネルディスカッション前半のテーマは「高校生に必要な学びとは」。パネラー、コーディネーターの主な発言をご紹介します。

 ▽

▽ 白戸洋さん「地域人教育の進化と生徒たちの育ち」
 地域人教育を学び松本大学に進学したM君は大学4年生、彼は「飯田に帰り、商店街で生きてみたい」と考えています。街中で商店を経営している彼の父は、業態転換も含めて彼の思いを受け止めようと考えてくれるようになったそうです。
 地域人教育とは、縁ある地域を支える人をどう育てるかをねらった教育活動です。
 取り組み始めて6年目を迎える今年、地域の思いと高校の思いが次第につながってきたととらえています。生徒たちも、高校生の活動から、高校生も一緒になった地域の活動へと進化しつつあります。
 一方私は県内初の高校のコミュニティスクールとなった白馬高校で学校運営協議会長を務めています。同校では本年度特色ある学科として国際観光科を設置しました。この学科には地元の生徒たちよりも地区外県外の生徒たちの割合が多く、40人が寮生活を送っています。通学区と居住地域が異なる学校にとってのコミュニティスクールの在り方の難しさを感じています。

 ▽ 小島一人さん「自分がどう感じたかという視点」
 公民館主事として、高校生との対話だけでなく、地域の人たちともよく話をしながら取り組んでいます。
 私自身は「高校生たちがどうしたら育つか」を常に念頭に置いて取り組んでいます。
本日の発表でも、「仮説を立てて、その仮説を立証することで〇〇が分かった」というプロセスで高校生たちが学んでいることが分かりますが、私自身が大事にしていることは、高校生たちがそのことに関わって「どう感じたか」「かかわった相手の人が大事にしていることは何だったのか」「その人と話をして自分は何が大事だと感じたか」、という自分がどう感じたか、という視点です。
 信州学の取組としてREASASを使い、データから情報を整理する学習が広がっていますが、そういう学習の方法に加えて、自分がどう感じたか、という視点を加えることで、深みのある学びが実現できるのではないかと思います。そしてそういう学習視点を持つことができるのが、社会教育の強みだと考えています。

 ▽ 牧野篤さん「多様性の中で対話を通して、新しい価値を創り出す力」
 国の生涯学習審議会に関わっていますが、地域人教育は国の制度のモデルとなる取組です。
 年々発表のレベルが上がっていますが、これは生徒自身の成長だけでなく、生徒たちを受け入れる地域側の成長にもつながります。国のコミュニティスクールは、地域人教育に見られるように、生徒と地域がともに育っていく関係づくりをねらった制度です。
国はコミュニティスクールに加えて、地域学校協働活動を推進しようとしていますが、制度の適用はほぼ小中学校にとどまり、高校が位置付けられていないことが大きな課題です。
 今子どもや若者たちに求められるのは、自分の人生を自分自身で設計する力です。
2030年にはAI(人工知能)の発達で、今の仕事の半分は不要あるいは自動化され、65%から70%は今ない仕事に就くことになるだろうと予測されています。
 これからの時代の子どもや若者は、大人たちをロールモデルとするのではなく、自分自身が社会や仕事を創り出さなければいけなくなる時代です。
 そのためには豊富な社会体験を積んで、自分で社会をつくる力を養うことが必要となります。大事なのは年齢や、文化、価値観などが異なる多彩な立場の人たちと平場で、話し合う経験が必要です。
 それは「ディベート」という、対立する意見をつぶす方法ではなく、異なる意見同士を重ねながら新しい答えを共に創り出す「対話」という方式です。

 ▽ 桑原利彦さん「大人の役割は、場づくり。転ばぬ先の杖にならないこと」
 高校生たちの発想は大人たちの比ではありません。大人たちは物事を考えるとき、失敗することを前提に物事を考えるために、発想の枠が狭まります。
 大人たちの役割は高校生のための場を提供すること。そして手を出しすぎて転ばぬ先の杖にならないようにすること。むしろ転んだあとのフォローの姿勢が大事です。

 ▽ 宮澤芽生さん「地域で学ぶ高校生の姿を大人たちに知ってほしい」
 かつての高校生は教室の中で学んでいましたが、私たちは地域に出て学んでいます。そういう学び方が変化していることを大人の人たちには知ってほしいと思います。
 活動を続けているとやることが前提となり、そのたに義務感が強くなることがあります。活動すること自体が楽しいと思えることが大切で、大人の人たちにはぜひ私たちの活動に共感してほしい思います。

 ▽ パネルディスカッション後半「活動を進めるうえで大事にしたいこと」
 パネルディスカッション後半は、活動を進めるうえで大事にしたいことについて発言していただきました。

 ▽ 桑原利彦さん「高校生の活動を色眼鏡なしで評価する」
 大事なことは2つ。
 一つは高校生の活動を色眼鏡なしで評価すること。
 二つ目は、高校生たちにとって認められることが何よりも大切です。

 ▽ 牧野篤さん「商業は社会に対する信頼をつくる仕事」
 本来の商業は、社会に対する信頼をつくる仕事です。まず人は楽しいからつながっていくものです。新しい食材を使って新しい商品を作ることは楽しいことです。そして地域の人との関係をつくることで商品は売れます。クリエィティビティというのは関係の中で発展していきます。
 売れることでお金が入り、そのことにより関係が強まり、さらに物が売れ、新しい商品が生まれるという循環の姿は、新しい社会をつくっている行為そのものです。

 ▽ 小島一人さん「大事なのは場や環境づくり」
 高校生たちが生き生きと活動できる場や環境をつくることが大事です。そしてそういう場や環境で、高校生と大人たちが一緒になって経験しながら次のステップに上っていくという姿勢を持つことが大事です。

 ▽ 白戸洋さん「信頼関係と人間関係以外は白紙で引き継ぐ」
 最後に地域人教育を進めるうえで大事にしたいポイントを4つお話しします。

 ① 信頼関係と人間関係以外は白紙で引き継ぐ
 長く活動を続けていくと、活動のマンネリが生まれがちです。私のゼミでは後輩への引継ぎは基本的には白紙で引き継ぐこととしています。そしてメンバー一人ひとりは、自分自身の考えで始めることにしています。ただし信頼関係と人間関係だけはしっかりと引き継ぎます。

 ② 地域と学校の関係
 これからは「学校の地域貢献」「地域の学校支援」ではなく、学校と地域がパートナーとして生徒を育てていくという姿勢が必要です。

 ③ 学校の在り方
 これまでは教師が生徒を教育するという関係でしたが、これからは、教師、地域、生徒がともに学びながら変わっていくという、教育そのものを変えていくことが必要です。

 ④ 卒業後の生徒たちのこれからを観ていきたい
 地域人教育で育った生徒たちのうち、進学したメンバーは来年度から社会人となります。生徒たちが社会人となり、これからどのような人生を選択していくか、生徒たちの育ちを見据えながら地域人教育の在り方について見直していくことも必要です。

 

〇 高校生と大人たちによるグループワークから
 地域連携教育とまちづくりを考える研究会の後半は、グループに分かれた話し合いです。
 高校生たちと大人たちが6~7人に分かれ、9つのグループで、話し合いが行われました。
 話し合いの内容を共有するための全体会では、すべてのグループともに高校生たちが報告してくれたことが印象的でした。
 印象に残る発言を紹介します。

 (1) 地域に出ることで座学の大切さがわかる
 地域に出ることの意味について話し合いました。
 地域人教育で地域に出て、お店の方たちと話をしたり、販売計画を立ててみると、簿記の大切さがわかります。地域に出ることで座学の大切さがわかりました。
 白馬高校では実際に外国の人たちと英語で話をする機会が豊富にあり、そのことで英語の力が付きます。
 他の地域に行ってみると、自分の地域を振り返ることができます。
 地域の中に味方や協力してくれる人たちをつくっていきたいと思います。

 (2) いろいろな考え方のある人たちと関わることが大事
 いろいろな人たちとつながっていくことの大事さについて話し合いました。
 一つのことをやり遂げるために経験を共有することの大切さを学びました。そして、相手が気の合う人ばかりではなく、いろいろな考え方のある人たちと関わることが大事であることを学びました。

 (3) 積み重ねの上に今がある
 白馬高校では、コミュニティスクールの取り組みが始まったばかりで、地域への入り方が課題です。
 飯田OIDE長姫高校の地域人教育では、受け入れている地域がすでに用意されています。これはこれまでの積み重ねのおかげです。
 やる気のある人たちが前に出るためにも、そういう人たちを支えてくれる地域の人が必要です。

 (4) 自分の世界観が広がる学び
 白馬高校の観光の授業でふれあう世界や各地から来た人たちの受け入れや、考え方の異なる人たちとの交流、異文化体験などを通して、自分の世界観を広げていくことが大事です。
 メンバーの中には人間関係の行き詰まりや、取組に対する意識に高低などの差ができることは当たり前ですが、そういうグループ全体がチームとしてまとまっていくように取り組むことが必要です。

 (5) コミュニケーションの重要性
 白馬高校では外国人との交流から、飯田OIDE長姫高校では地域、企業、行政の人たちとの交流の中でたくさんのことを学び取っています。SNSでのつながりではなく、顔を合わせることでのコミュニケーションが大事です。

 (6) 若者の特権は行動力
 実際に外国の人に話してみることで英語力はついていきます。
 そういうまずは行動してみる、という行動力は若者の特権です。

 ▽ 飯田市公民館副館長の松下徹さん「大切な学びを実現している高校生たち」
 全体会の最後に何人かの方から発言をしていただきました。
 飯田市公民館副館長の松下徹さんの発言の要旨は次の通りです。
 高校生の皆さんは本当に大切な学びをしていることを実感しました。
 地域に出ることと座学のどちらも大事であるということ、
 数値の分析と人の話や思いを聞くことのどちらも大事であること、
 一人だけで考えるのではなく、いろいろな人たちの話を聞いて自分の肥やしとすることが大事であること、
 いろいろな考えを持つ人同士が交流することで考えが深まること、
 地域人教育の積み上げの中で本当に大事な学びができていることがわかります。
 そしてこれらの学びは社会人として仕事をするうえでも共通しています。

 ▽ 飯田観光協会の吉原さん「高校時代から人としての総合力を磨く」
 これからの時代に人として必要なのは、総合力です。用意したマニュアルや教科書では対処できないことにどう対処できるようになっていくか。これまでだと社会に出てから身に着けていく力を地域人教育では高校生のうちから経験できていることが大変大事なことです。

 ▽ 飯田市議会議員新井信一郎さん「若者の政治参加をテーマに」
 18歳選挙権が法制化されましたが、投票率の低い世代は、高校生から皆さんの親世代です。若い世代の政治参加についても、ぜひ考えていただきたいと思います。

 ▽ 長野県教育委員会有賀浩さん「社会教育と学校教育の融合を」
 地域人教育と白馬高校の教育活動や生徒の皆さんの発言をお聞きして、国が期待している子どもや若者たちの力、すなわち「意識する力」「探求する力」「語る力」が備わりつつあることがわかります。
 ぜひこの教育活動を広げていくことを期待しています。
 地域人教育では公民館という社会教育機関の力を借りて、生徒たちが育っています。学校の中だけで人は育たない時代です。これからは社会教育と学校教育の融合した教育が求められます。

〇 高校生は大人たちから、大人たちは高校生から学び取る
 密度の濃い一日でしたが、高校生は大人たちから、大人たちは高校生から互いに学び取ることができた貴重な一日でした。
 高校生たちの可能性を改めて感じることができました。