阿部知事と高校生によるタウンミーティング 2017年7月22日

〇 高校生によるタウンミーティング開催のいきさつ

 7月22日(土)シェアハウス「桜咲造」で阿部知事と飯田OIDE長姫高校商業科の生徒有志でつくるまちづくりグループ「Study egg」によるタウンミーティングが行われました。「桜咲造」は平成26年、「Study egg」の一員で当時同校2年生の鎌倉朋也君の発案で誕生しました。

 鎌倉君は、昨年5月17日、阿智村で阿部知事による公民館をテーマとしたタウンミーティングの発表者の一人です。「Study egg」は、飯田OIDE長姫高校商業科が進める地域人教育の中から生まれ他グループです。地域人教育は同校商業科の教育課程に組み込まれた授業で、松本大学飯田市公民館が協働でサポートする試みです。昨年行われたタウンミーティングで、鎌倉君から知事に対して「ぜひ高校生によるタウンミーティングをやりたい」という申し出があり、実現しました。

 〇 知事と高校生のやり取り

 タウンミーティングは冒頭の知事のあいさつの後、公共トイレのリフォームやシェアハウスの運営、飯田の産業水引を活かした商品開発など「Study egg」が取組む活動を紹介した後、意見交換が行われました。

 ファシリテーターは同校OBで「Study egg」の生みの親でもある嶋村駿吾君です。意見交換の中心議題は会の在り方について。高校生たちが行うまちづくりの取組みは地域の中でも大変評判を呼び、他団体から会へ声をかけていただけるようになってきました。そのことが「やらされている活動」という意識に結び付き、会の運営にも影響を与えているようです。

 阿部知事は高校生たちの意見交換の間ずっと聞き役に徹しており、途中知事への声かけがあって初めて発言されました。その時の言葉が大変印象的でしたので私なりにまとめた要旨としてご紹介します。

 「タウンミーティングに先立ち、公民館職員の皆さんとランチミーティングを行いました。その時に公民館活動というものは、それぞれの地域でボトムアップで行われるものであり、上から指示されて動くものではないということを学びました。そのことを学んだのでこのタウンミーティングでも、高校生の皆さんが主体的に話し合いを進めることが大事だと考え、聞き役になっていました」。

 〇 大事なのは皆で決めること

 平成28年1月、高校生が主催した「子どもまち博覧」という催しが行われました。これは高校生が自分たちで自分たちの将来のキャリアデザインを考えることをねらいとした催しです。この催しの最後に自分たちが将来飯田に戻ってくるかをテーマとしたパネルディスカッションが行われました。飯田市は「住み続けたい地域づくり」「帰ってきたいと考える人づくり」「帰ってこられる産業づくり」の3つを柱とした「人材のサイクル」を重点政策としています。いうなれば高校生たちが考える「人材のサイクル」がテーマです。

 その時に印象に残った発言が2つあります。

 「大人たちに言われて帰ってくると答えるのではなく、帰ってくるということを自分たち自身で決めたい」

 「小さいころから地域の行事に参加して飯田のことはとても好きだけれど、大学進学を控えた今、具体的に針路を考えると、どういう仕事を選んだら帰ってこられるのかわからない。自分たちはまだまだ未熟で、帰ってくるとしてもまず自分自身が学ぶことが大事。」

 今日行われた公民館をテーマとしたランチミーティングと、高校生によるタウンミーティングに共通する大事な視点の一つは、「自分たちで決める」ということではないかと考えました。