ふるさと竜東の集いに参加しました 2017年7月23日

 

ふるさと竜東の集い開催のいきさつ

 

 

 7月23日(日)飯田市立竜東中学校で、「ふるさと竜東の集い」が行われました。今回で6回目となるこの会は、飯田市が取組んでいる「小中連携・一貫教育」のモデル校となった同校の当時の校長先生が始めた試みです。当日は小中学生や親、地域の方たち併せて200人近くが参加しました。

 竜東中学校のある飯田市竜東地区は天竜川左岸の地区の総称で、遠山地区が飯田市と合併するまでは飯田市面積の過半を占めているにもかかわらず、人口は1割であることから、小規模の小学校が5校あり、このうち竜東中学校には4つの小学校から広域的に子どもたちが通っています。

 いわゆる中一ギャップといわれる中学生となる時期の子どもたちの揺れの原因の一つに、これまでと異なる関係性の中の自己という課題があるようです。「ふるさと竜東の集いは」竜東中学校区の小中学生たちが地域の大人たちとともに一堂に会することで、多様なつながりの中で子どもたちが温かく包まれるとともに、そういう関係性の中で子どもたちの育ちを支えることをねらいとした取組みです。

 〇 Iターンの伊藤さん「上久堅へ来て、暮らして思うこと」

 

 会はオープニングセレモニー、全体会、分散会、振り返り全体会で構成されていました。

 全体会では愛知県出身で現在上久堅にIターンし、認定農業者としてご家族と共に暮らしている伊藤拓生さんによる「上久堅へ来て、暮らして思うこと」という意見発表が行われました。

 伊藤さんは小学校4年生の時、泰阜村にあるグリーンウッド自然体験教育センターの「通年合宿」に参加された経験があるそうです。その後大学を卒業し、建築に関わる仕事に疲れたのですが、結婚を機に長野に移り住み、農業を始めることを決意しました。

 農業を始めるに当たり、千代の川手洋造さんや上久堅の中山将英さんなどの農業委員も務められた地域のキーマンの方たちが親身になってつないでくれ、現在はリンゴ農家として活躍されています。

 伊藤さんにとって上久堅暮らしには次のような良いことがあるそうです。

 「名古屋暮らしの方がスーパーまでの距離は近いようでいて、車などを使った場合の時間距離は変わらない」

 「お隣のおばあさんから食べきれないほどの野菜をいただくなど、周りの方たちの人柄が素晴らしい」

 「同世代の方たちとチームを組んで夜間ソフトを楽しんだり、青年会長を引き受けるなど地域の人たちとのつながりが厚い」

 「行き会う子どもたちが大きな声であいさつしてくれ、自分の子どもたちもどこに行ってもあいさつをする子に育ってくれた」

 何か目的があって東京などの都会に行くことはよいけれど、特に目的もなく都会に行くのであれば、もっと地元のことを見直してみたらよいのではないか、とお話ししていただきました。

 〇 大人の背中を見て育つ子どもたち

 

 分散会は18に分かれて行われ、私は千栄地区の方たちが中心の分散会に参加しました。参加者の最年少は小学4年生、そのお母さんや中学生、自治会の役員、先生など多彩です。中学生が進行し、最初に自分たちの住んでいる地域の良いことを出し合い、それを地区外の人たちにどうやってPRするかを話し合いました。

 「いくちゃばあちゃんに会いにおいなんよ」私の参加したグループのキャッチフレーズです。

 いくちゃばあちゃんとは千栄に暮らす太田いく子さんのこと。太田さんは千代で太田農園をお連れ合いとともに経営され、農家宿泊など多彩な活動をされており、子どもたちにも大人気の方です。

 全体会も分散会の進行もすべて中学生が担っていましたが、それぞれの生徒たちの言葉遣いが大人顔負けでびっくりしました。この分散会のような機会も含めて、日ごろから多彩な大人たちの中で育てられていることが、そういう言葉遣いにも表れているのではないかと感じました。

 とてもいい会でした。