フィリピン・レガスピ市からの研修員を迎えた研修会が行われました 2017年8月26日

 8月26日(土)飯田市公民館でフィリピン・レガスピ市からの研修員を迎えた学習会が行われ参加しました。

 途上国支援の取組みですが、日本の地域づくりや公民館活動の在り方を考えるうえでも示唆的な取組みですので、簡単に概要を報告します。

〇 フィリピン・レガスピプロジェクトのこれまで

 2005年から飯田市では通算で7年間、JICAの委託を受けて、フィリピン・レガスピ市の住民自治とそれを支える行政の仕組みづくりに関わっています。

 元国連職員で現在日本福祉大学で教鞭をとっておられる大濱裕さんが開発した「参加型地域社会開発(PLSD)」という開発枠組みに基づいての取り組みで、この開発枠組みを学んでいるフィリピン在住の織部資永さんをプロジェクトマネージャーとし、織部さんが指導する現地採用のCDワーカーが、 言うなれば飯田の公民館主事のように現地集落に入り込み、住民の意識化や組織化を支えています。

 この取り組みの一番のインパクトはレガスピからの研修員による飯田研修です。レガスピ市の行政幹部職員や住民リーダーの皆さんかこれまで30人以上飯田を訪れ公民館活動や地域自治の活動について学んでいます。

〇 途上国から学ぶ初めての機会

 これまではどちらかというと飯田の経験をレガスピに伝える一方通行の関係になりがちでしたが、この取り組みに関わる30人ほどの飯田市民や職員により、昨年度約半年をかけて取り組みの振り返りを行いました。

 その中でこの取り組みは日本からレガスピへの一方通行の活動ではなく、日本側の私たち自身が自分達の地域の自治について振り替えるまたとない学びの場であり、このことを広く飯田市民の中で共有していくための取り組みを広げようと、「交流と学びの会」を組織しました。

 レガスピからの研修員を講師として私たちが学ぶ試みは今回がはじめてです。

〇 レガスピ市職員の高い自治意識

 何年か前に打ち合わせのためにレガスピ市を訪問した際、行政幹部職員と住民リーダによる加の取り組みを統合的に進めるためにもうけたテクニカルワーキンググループによる会議で印象的な出来事がありました。

 それは私がプロジェクトの趣旨を説明したあと、住民リーダー何人かが私の話を受けて、「こういう取り組みをしてみよう」 と早速話し合いを始めたときに、レガスピ市の社会福祉開発局のマナヤさんという局長とホモさんという次長が苦い顔をしていました。後でその理由を聞くと、「この取り組みのねらいは、取り組みに多くの住民が参加し話し合いの中で自分たちの暮らす地域の課題を話し合うことから始めることに意味があり、リーダーだけで決めてしまおうと言う動きは危険である」ととらえたためでした。

 この話を聞いて、日本の自治体でこういう視点でものごとを考えることをできる幹部が果たしてどのくらいいるのだろうかと考えさせられました。それだけ私たちの方が気づかされることが多くなってきた取り組みです。

 当日の学習会には牧野飯田市長、学習会に先立つ手作りの昼食会から参加しました。