第41回信州発ボランティア・地域活動フォーラムに参加しました 2017年10月28日

 10月28日(土)千曲市上山田文化会館で行われた「第41回信州発ボランティア・地域活動フォーラム」に参加しました。

 

 

〇 第41回信州発ボランティア・地域活動フォーラム

 

 

 「信州発ボランティア・地域活動フォーラム」の主催は、長野県社会福祉協議会を中心とした実行委員会です。県内各地で福祉に関わるボランティア活動家、地域づくりグループなど300人が参加。中学生、高校生、大学生など若者の姿もありました。長野市松代からは、中学生が自主的に作ったボランティアグループも参加。多彩な顔ぶれです。

 公民館などの社会教育機関の主催する事業とは、参加の顔ぶれは全く違いますが、取り組みのねらいや内容などは社会教育活動と重なっていることから、取り組みの内容と、参加者とのつながりを期待して参加しました。

 

〇 ワークショップ方式の全体会

 

 午前中は尚絅学園大学の松田道雄さんがファシリテーターとなり、集まった300人によるワークショップが行われました。

 受付で参加者全員に配られた厚手の紙とマジックペンに、参加者一人ひとりが現在の活動の中で悩んでいることを一言書き表し、その紙をもってホールの中で、共通の悩みを持つ人同士が数人ずつ集まり、共通テーマで話し合うという方式です。

 私は「高校生や若者の力を引き出したい」というパネルを作成したところ、「自分たちのボランティアグループに若者を引き込みたい」「若者たちの定住を進めたい」という思いを持つ方や、現役の大学生や高校生が集うグループとなりました。

 話し合いの中で次のようなまとめとなりました。「まずは大人たちが引っ張るのではなく、若者たちが主役となる場を大事にすること」「その子が必要とされる場とすること」「大人たちは若者たちに背中を見せることができるような、自分磨きを頑張ること」

 300人の参加者は、ボランタリーな立場で自分の居場所のある方たちばかりであることから、話し出したらきりがないくらい、どなたも思いのつまった方たちでした。

 本当にエネルギーのあふれる集会です。

 

〇 お楽しみ活動縁日

 

 お昼は参加団体か販売している食べ物屋台で自由に選び、参加者同士が交流しながらの食事会です。活動の様子を交流しながら食事を楽しむ時間でした。

 昼の後半は参加団体によるパフォーマンス。歌や太鼓踊り体操など、多彩でにきやかな出し物が満載です。

 

〇 分科会 若者❌地域 「私たちの活動が、地域の未来をつくっている」

 

 午後は若者テーマの分科会に参加しました。

 発表者は長野西高校の中村陽奈子さんと高山村の黒岩清道さんです。

 

〇 何が大切で何が幸せか考え続けていきたい~高校2年の中村陽奈子さん

 

 ▽ アイデンティティ

 

 中村さんは現在高校3年生。一年の時に小布施で行われたHLABに参加したことが彼女のスイッチだそうです。HLABは外国からの留学生も含めた若者たちが1週間、小布施を拠点に小布施のことや社会のことを学ぶ企画です。

 彼女はそこで目的意識をもって学び活動する人たちと出会いました。そういう外から人たちとの交流が鏡となって、ふるさと小布施を見つめ直すことでふるさとへの愛着が一層増したそうです。

 この事がきっかけで「高校生小布施ツアー」を発案しました。

 ▽ 自分の気持ちをまとめる場

 

 中村さんは誘われて諏訪市で行われている「長野県高校生プレゼンテーション大会」でツアーの企画を提案しました。このことがきっかけとなり、ツアーを実際に実行し県内から20人の高校生が参加してくれたそうです。

 こういう自分の思いを発表する機会があることで、自分の経験や考えたことを振り返ることができ、そこで自分の思いを受け止めてくれる仲間がいることが大事であると感じたそうです。

 ▽ ロールモデルの存在

 

 中村さんにとってもうひとつ大事なことは、お手本にしたい生き方をしているロールモデルの存在です。中村さんは若者たちの政治参加の取組を進める「アオトーンナガノ」の波多腰遥さんを紹介してくれました。

 ▽ 自分で仕事と居場所を作る

 

 本気でふるさとに戻ろうと考えれば、就職先があるかどうかというよりは、自分で仕事も作ってしまうと話してくれました。

 ▽ 何が大切か、何が幸せか、考え続けていきたい

 

 中村さんにこれから何を学びたいか質問したところ、「何が大切か、何が幸せかを考え続けていきたい」と答えてくれました。

 

〇 PTAが学校と地域をつなぐ

 

 もうひとつの事例は高山村の「わくわく村」。子どもたちの体験活動を作るグループです。村長の黒岩清道さんは14代目、歴代のPTA会長が務めています。

 学校と地域をPTAがつなぐという試みは県内でもあまり例はなく、大変ビックリしました。

 それからわくわく村を卒業した藤原奈津美さんが発表してくれました。彼女は24才、役場に勤めながら「名もない空き家」を運営されているそうです。

 地域で育った若者が、こういう形で育つ姿を知ることができたことも収穫でした。

 

〇 これぞ学びの県

 

 皆が楽しみながら日頃の活動を交流し、新しい仲間とつながりながら、活動のヒントや自分たちの引き出しを増やしていく。

 長野県は来年度スターとする総合計画のエンジンを「学びの県」と「自治力」としていますが、まさにその言葉が当てはまる場でした。